山門施食会

年間行事

施食会(せいじきえ)(お施餓鬼とは)
―安らかな世界を―

 お寺の本堂には青、黄、赤、白、黒の五色を組み合わせた五如来さまの幡を掲げ「三界萬霊十方至聖」と書かれた位牌を安置し、霊には洗米、新鮮な野菜や果物などを供え、多くの僧によって読経と水向け供養を行います。
これは、ご先祖さまをはじめとして諸精霊に供養するもので「施餓鬼会」と呼ばれます。この施餓鬼会は「施食会」ともいわれています。

施食会
 施餓鬼会は本来、日を特定せず毎日供養することによって、無量の徳が得られるとされています。
 しかし阿難さまが餓鬼に施したこの物語と目連さまが餓鬼道に墜ちた母親を救うために供養したことから始まったお盆(盂蘭盆会)との物語が似かよっていることや、お寺での施餓鬼会が、お盆の法要と並行して営まれたことなどの理由により、お盆の月に施餓鬼会を行うところが多くなりました。
 お施餓鬼の法要にお参りいたしますと、青、黄、赤、白、黒の五色の幡が風に揺られてヒラヒラ舞っているのを見た事があるでしょう。「宝勝(ほうしょう)如来」「妙色身(みょうしきしん)如来」「甘露王(かんろおう)如来」「広博身(こうはくしん)如来」「離怖畏(りふい)如来」と五つの如来さまの名前が書いてあります。このお名前には、煩悩の心を離れる願いがこめられているのです。つまり、おしみない豊かな心で、心身ともに清らかに喜悦にみち、智慧慈悲円満の力強さを意味しています。

施食棚
 また、この法要によって、清らかな水で洗われた七粒の米も一切の精霊を満足させることができると伝えられています。
さらに、現在では、自分に与えられた生命を尊び感謝し、長生きを願うという意味と、追善供養として三界萬霊有縁無縁の精霊を供養するとともに、檀信徒の先祖先亡の諸霊供養を併せて営みます。

毎年11月上旬に開催いたします。